先に結論

水濡れした写真や台紙へ貼り付いた写真は、自分で剥がしたり、こすったり、ドライヤーで乾かしたりしないでください。画像加工より先に、写真を動かさず全体と傷んだ場所を撮影し、写真保存・資料保存を扱う専門先へ「今も濡れているか、貼り付いているか、カビがあるか」を伝えます。一般的なオンライン画像加工へ紙の原本を送らず、安全にデータ化できた後、その画像コピーだけを修復します。

触れずに記録できる状態・至急相談したい状態

触れずに状態を記録できる

  • 写真へ触れず、置かれた状態のまま撮影できる
  • 水濡れした時期、枚数、貼り付きやカビの有無が分かる
  • 傷む前に作ったスキャンやスマートフォン写真が残っている

その日のうちに専門先へ相談する

  • 今も濡れている、何枚も重なっている、台紙へ強く貼り付いている
  • カビ、強い臭い、ぬめり、色の流れがある
  • 一枚しかない写真で、顔や表面が剥がれ始めている

写真を動かさず用意するもの

  • 写真を動かさず撮れるスマートフォン
  • 水濡れした時期、枚数、保管場所を記録するメモ
  • 以前に作ったスキャンや写真データがあればそのコピー

触らず相談する5手順

  1. 01

    剥がす・拭く・乾かす作業を止める

    まず人の安全を確保し、写真表面へ触れません。濡れた写真を重ねる、密閉する、無理に移動するなどの判断も自分で行わず、専門先へ現状を伝えます。ドライヤー、アイロン、薬品も使いません。

    • 写真を剥がしたりこすったりしない
    • ドライヤー・アイロン・薬品を使わない
    • 安全に近づけない場合は触らず離れる
  2. 02

    置かれた状態のまま記録する

    全体、傷んだ場所、重なり、台紙との貼り付きを、写真へ触れない距離から撮影します。定規を直接写真へ置かず、枚数とおおよその大きさ、水に濡れた時期、現在の保管場所はメモに残します。

    • 全体が分かる写真を撮る
    • 濡れ・貼り付き・カビ部分を撮る
    • 時期・枚数・大きさをメモする
    水濡れ写真を触らず全体・貼り付き・カビを記録する図
    写真を動かさず、全体・貼り付き・カビの状態を記録します。図を大きく見る
  3. 03

    写真保存を扱う専門先へ相談する

    「紙写真が水濡れし、現在は[濡れている/乾いている]状態です。[台紙への貼り付き/重なり/カビ]があります。触らずに保管しています。今すべきことと、持ち込み・発送の可否を教えてください」と書き、傷み具合が分かる写真と一緒に送ります。

    • 傷み具合が分かる写真とメモを送る
    • 今すべきことを確認する
    • 持ち込み・発送・費用を聞く
  4. 04

    専門先の案内で原本をデータ化する

    自分でスキャナーへ押し付けず、原本を安全に扱える方法を確認します。専門先が撮影やスキャンに対応する場合は、紙の処置とデータ化を一緒に相談し、持ち込みや発送の方法、返却方法も確認します。

    • 原本を動かしてよいか確認する
    • データ化の方法と料金を聞く
    • 紙原本の返却・保管方法を確認する
  5. 05

    修復は画像コピーだけで行う

    安全に作られた画像データを複製し、そのコピーへ傷や色の補正を行います。紙原本の処置と画像加工は別の作業として扱い、一般的な画像加工サービスへ渡すのは、データ化済みの画像コピーだけにします。

    • データ化した原画像を保存する
    • 加工用コピーを別名で作る
    • 直してよい範囲を画像加工先へ伝える
    紙原本の保存とデータ化後の画像修復を分ける図
    紙原本の保存と、データ化後の画像修復を分けて進めます。図を大きく見る
紙原本を画像加工サービスへ送らない

紙原本を一般的な画像加工サービスへ送らないでください。濡れ、カビ、固着、表面剥離がある写真は、写真保存・資料保存を扱う専門先へ相談します。

原本を動かす前の確認

  • 写真を剥がす、拭く、加熱する作業をしていない
  • 写真へ触れず、傷み具合が分かる写真とメモを作った
  • 写真保存を扱う専門先へ相談した
  • 持ち込み・発送方法を確認してから原本を動かした
  • 紙原本と画像加工用データを分けて扱った

濡れ・カビ・固着があるとき

今も写真が濡れている

重ねたり密閉したりせず、無理に乾かそうとしないでください。傷み具合が分かる写真を撮り、その日のうちに写真保存を扱う専門先へ相談します。

カビや強い臭いがある

表面を拭いたり掃除機を当てたりせず、ほかの写真から離して人の出入りを減らし、安全に扱える専門先へ状態を伝えます。

近くに相談先が見つからない

博物館・図書館などの資料保存相談窓口や写真保存事業者へ、オンラインで傷み具合が分かる写真を見せ、相談先を尋ねます。確認が取れるまでは発送しません。

写真保存を扱う専門先へ伝えること

写真を動かさずに撮った、傷み具合が分かる写真と、水濡れした時期・枚数・貼り付き・カビの有無を伝えます。

  • 写真に触れずに撮った、傷み具合が分かる写真
  • 水濡れした時期・枚数・貼り付き・カビのメモ
  • 持ち込み・発送・データ化の可否を聞く文章

よくある質問

ドライヤーで早く乾かしてもよいですか?

熱や強い風で写真表面が変形・剥離するおそれがあります。自己判断で加熱せず、状態を記録して専門先へ相談してください。

乾いていれば台紙から剥がしてもよいですか?

乾いて見えても写真表面や台紙が一緒に剥がれることがあります。貼り付いたまま撮影し、剥離の可否を専門先へ確認してください。